倒れるときは前のめり。

カレーが好きです。

粘着イケメン悪魔に学ぶ実践HRTーー『響け!ユーフォニアム』と『Team Geek』

ここ数年で最もハマっただろうアニメ『響け!ユーフォニアム』と、2016年に最も影響を受けたといえる技術書『Team Geek』のよさを伝えるついでにHRTの話をしようと思ったら、収まりがつかなくなった。

響け!ユーフォニアム』のよさ

北宇治高校吹奏楽部は、過去には全国大会に出場したこともある強豪校だったが、顧問が変わってからは関西大会にも進めていない。しかし、新しく赴任した滝昇の厳しい指導のもと、生徒たちは着実に力をつけていった。実際はソロを巡っての争いや、勉強を優先し部活を辞める生徒も出てくるなど、波瀾万丈の毎日。そんななか、いよいよコンクールの日がやってくる――。 (響け!ユーフォニアム~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~│宝島社)

良くも悪くも王道な青春もの・群像劇。これがなぜか自分にドハマリした。2015年春から放映していたアニメ1期はなんとなく見た程度だったけれど、今年春から公開している劇場版をスクリーンで観たことをきっかけに何かに目覚めたのか、2016年7月時点で6回くらいリピート鑑賞 && 原作3巻読破済した程度にハマってしまった。

なんでハマったのかなと思い起こすと、ふたつほど思い当たるフシがあった。

ひとつめは人間描写や心理描写が最高に細かいこと。JKというか思春期あるあるなネチっこさとかめんどうくささとか、読み進めていくと思わず「ウッ」と胃液が逆流しそうになることが実に多い。よくここまで細かく観察しているなと思わず感心する。

ふたつめは非常に爽快な読後感・視聴感。「特別になりたい」「うまくなりたい」。様々なできごと・試練を乗り越えながらも、全国大会に行くんだと、ただひたすらに上を目指していく。思春期特有ともいえるその(異常なまでな)愚直さを登場人物に見せつけられたら、思わず自分たちも背筋が伸びる思いになるというもの。

そして劇場で繰り返し観たからこそ思うのは、やはり音楽もののアニメはでかいスクリーンと爆音な音響設備で化ける、映えるということ。「劇場版?総集編商法必死だな〜」と斜に構えていたけれど、劇中の演奏シーンを思う存分味わった今となってはそんなことなど口が裂けても言える気がしない。


『劇場版 響け!ユーフォニアム~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~』予告

劇場版のBDが9月に出るので、完全初見の人はここから入って、気に入ったらTVアニメ版や原作に進むとよいと思う。あと原作読むなら3巻まで大人買いして一気読みしましょう(3巻がこの物語の真骨頂)。

『Team Geek』 のよさ

複数のプログラマが関わる場合、優れたコードを書くだけではプロジェクトは成功しません。全員が最終目標に向かって協力することが重要であり、チームの協力はプロジェクト成功のカギとなります。本書は、Subversionをはじめ、たくさんのフリーソフトウェア開発に関わり、その後Googleプログラマを経てリーダーを務めるようになった著者が、「エンジニアが他人とうまくやる」コツを紹介するものです。「チームを作る三本柱」や「チーム文化のつくり方」から「有害な人への対処法」までエンジニアの社会性について、楽しい逸話とともに解説します。 O'Reilly Japan - Team Geek

「組織の中でいかにエンジニアが仕事をしていくか」「チームで価値を出していくってどういうことなの?」というテーマにフォーカスを当てた本。ソフトウェアエンジニア向け『人を動かす』という捉え方をする人もいてなるほどなーと思った(ちなみに『人を動かす』は未読)。

「ソフトウェア開発はチームスポーツだ」というくだりが個人的にはお気に入り。

HRT(謙遜・尊敬・信頼)

あらゆる人間関係の衝突は、謙虚・尊敬・信頼の欠如によるものだ(Team Geek)

他人とのコミュニケーションで実践すべき原則として、謙虚(Humidity)、尊敬(Respect)、信頼(Trust)の頭文字をとったHRT(「ハート」と読む)が紹介されている。エンジニアに限らずあらゆる職種に通用する普遍な考え方で、本書の登場で一躍世に知られたのではないだろうか。

実例 ― 北宇治高校吹奏楽部顧問 滝昇の場合

滝昇という登場人物がいる。高校の吹奏楽部顧問を務めた父を持ち、自身もまた父と同じ道に進み、主人公らの指導にあたっている。

この人物、生徒のコントロールの仕方が非常にうまい。適度に毒舌で歯に衣着せぬ物言いをし、適度に生徒を突き放しつつ・自分たちで考えさせつつ、それでいて適度に生徒を褒めて乗せていく(適度多いな…)。アニメ1期だけでも、顧問就任からサンフェス出場まで、コンクールメンバーの選抜オーディション、そしてコンクール府大会と印象に残るシーンが多いが、「生徒の自主性を重んじる」彼のモットーを体現するように、どのシーンでも部員のことを信頼している様子が伺える。

指揮者⇔演奏者、顧問⇔部員という関係はたしかにあるのだけど、一方で「いい音楽を奏でたい」という気持ちは立場に関係なく等しく同じなんだと改めて気づかせてくれる。その気持ちがあるからこそ、滝昇は生徒に対して尊敬や信頼をもって接することができるのではないかって。個性豊かな(それでいて感受性豊かな)スペシャリストをまとめるリーダーとして、ここまでHRTの習慣を実践している人物はそういないんじゃないかなーと、むりやりまとめてみる。

(まとまっていないけれど)まとめ

  • ユーフォはいいぞ
  • Team Geek はいいぞ